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大雪山国立公園における登山道侵食と登山道の維持管理に関する研究
(最終更新日 18 December 2010)

(概要)
 環境省や大学の社会科学系の研究者らと協力して,登山道の維持管理を中心に,山岳国立公園の新しい維持管理の方策を考えています。私は,このなかで,特に,登山道侵食に着目して,登山道の土壌侵食がどれくらいの速度で進行してきたのかを見積もり,今後,進行するのかを予測しています。登山道の土壌侵食速度の見積もりには,断面測量を繰り返しておこなうことによって,登山道表面の形態の変化を明らかにして,侵食量を"断面積"で表現して,測量期間で割って,速度を計算する手法をとってきました。1989年以降,この手法を用いて,すでに3つの修士論文研究で,大雪山国立公園内の登山道の土壌侵食速度が見積もられてきました。これらの研究に加えて,最近では,3次元ステレオ写真撮影による登山道侵食量の計算も行われるようになってきています。
 大雪山国立公園では,環境省が「近自然登山工法」を取り入れ,また全国ではじめて「登山道のレベル区分」を試行しています。これらのアプローチを全国に展開していくために必要な学術的支援を行っています。
 また,フィンランドの国立公園での登山道荒廃や,国宝三徳山投入堂(鳥取県三朝町)への行者路の荒廃を管理するための助言も行っています。

登山道関連の修士論文研究・博士論文研究
沖 慶子(2001):大雪山国立公園,黒岳石室周辺における登山道の保全のための研究
土栄拓真(2004): 大雪山国立公園・表大雪山域におけるツアー登山の実態と利用者管理の方向性
太田健一(2005):デジタル写真測量による登山道侵食把握と侵食軽減のための新たな方策ー大雪山国立公園を例としてー
リ・ゲンリョウ:台湾,雪覇国立公園の登山道荒廃(進行中)
小林勇介:北海道の登山道荒廃(進行中)